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【合格体験記・Amazon Web Services】AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA) ~試験対策と学習法~

クラウドの基盤として世界で一番大きなシェアを持っているアマゾン ウェブ サービス (Amazon Web Services: AWS) の資格試験であるAWS Certified Solutions Architect Associate を受験して合格しましたので、今後、この試験の受験を考えている方に参考になればと思い、どのような勉強をしたのか、どういう試験だったのか、合格体験記をまとめておきます。受験したのは2023年1月6日です。尚、私は2020年にAWS Certified Cloud Practitioner も受験して合格しているので、そちらとSAAの違いやどちらを受験すべきかの意見も書いておきたいと思います。

尚、私は普段は仕事でAWSを直接触ることはあまりないです。年齢的にもかなりいいおじさんです。この試験は時間が130分もあって、だいぶ疲れます。もしかしたらこれが一番重要なコツかもしれませんが、ドーピング検査は無いので(笑)、これから受験を考えられる方は、試験開始の1時間くらい前にしっかり栄養ドリンクを飲んでおくことを強くお勧めします。

AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA) とは?

AWSとはAmazon Web Servicesの略です。Amazonは物販などとは別な事業としてクラウドコンピューティングサービスの提供を行っていて、これがAWSになります。使いこなすには一定の専門知識が必要になることから、アマゾンでは技術者・開発者・ITコンサルタントAWSのスキルを証明するための認定試験を提供しています。2023年1月時点では、以下の12の資格が準備されています。

https://aws.amazon.com/jp/certification/
SAA試験は実際にAWSを使って仕事をするために必要となる幅広い AWS のサービスとテクノロジーに関する知識とスキルを問うものです。概要としては以下のAWSのサイトにある通りになります。このページは大変有益な情報がまとまっています。一般のトレーニングや問題集はどうしてもクセがあるのですが、AWSがやっているだけあってこのページは一番実際の試験の感覚に近いです。ただ、個人的な意見としては、この試験はAWSのサービスの基本的な特徴についての知識と理解を問うものなので、このページの中にある「この試験では、コーディングの深い実務経験は必要ありませんが、基本的なプログラミングの概念に精通していると有利です。」という説明はあまり関係無いと思います。むしろ、セキュリティとか耐障害性とかネットワークとか一般的なITインフラの知識の方が重要な気がします。

[https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/

AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)の位置づけとAWS Certified Cloud Practitioner の違い

SAA試験はAssociate試験のひとつであり、FOUNDATIONALの次の段階で、かつPROFESSIONALやSPECIALTYの前段の位置づけです。FOUNDATIONALの試験であるPractitionerは、比較的短時間の学習で合格できる内容で、学習時間としては長くても1週間みておけば十分です。ですので、AWSの資格を何か手っ取り早く取っておきたい、技術者ではないけれどIT分野の営業とかで全く知識が無いというのもまずいかなという場合は、Practitionerの受験を勧めます。ただ、特に技術系の方の場合はPractitionerを飛ばしてSAAの方にいきなり挑まれる方が多く、製品知識については重複している部分もあることから、それはそれで正しい選択だと思います。SAAを取ったらPractitionerも持っていますというのはそれほど意味が無くなるので。ただ、私はとりあえず、AWSの知識を持っているという証明を何か持ちたかったので2020年にPractitionerを先に取得しています。難易度はSAAの方が難しく、学習のための時間もかなり必要になります。

AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)の学習法

大きくは以下の3つに頼りました。それぞれ有益なポイントが異なりますので説明します。大きくは、3つの戦略の組み合わせになります。

1.試験の特徴を理解する
2.評判の高い対策講座で学習する
3.演習問題や模試で弱点を見つけて補強する

この3つに適したものを選んで組み合わせれば十分だと思います。そのためのものとして、それぞれ以下のものを私は利用しました。この3つであればおカネもたいしてかかりません。

AWSのSAAのリソースページ

どういう試験なのか理解するには、AWSそのものが提供しているSAAのコンテンツが一番良いと思います。特に、「無料」となっている以下の4つは、日本語教材も準備されているので、絶対に目を通した方がいいです。試験対策のデジタルトレーニングはビデオ教材で、AWSのトレーニング専門の講師が問題文を読むコツや解き方のコツを指南してくれます。これは合格のためのテクニックとして有益でした。

AWS Certified Solutions Architect - Associate 試験ガイド
AWS Certified Solutions Architect - Associate サンプル問題
AWS Certified Solutions Architect - Associate 公式練習問題集
試験対策: AWS Certified Solutions Architect - Associate


AWS Certified Solutions Architect – Associate 認定

Udemyの「これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座」

学習そのものに適した教材として、オンライン教材のUdemyが提供しているトレーニングの中でも有名なビデオのコースをおススメします。講師の方は、かなりのこだわりを持って教材の作成とメンテナンスをしています。試験対策だけでなく、AWSそのものの説明とハンズオンが充実しているので、AWSの基礎を学ぶという点でも大変おススメです。売れ筋のコースなのでそんなにお高くありませんが、Udemyはよく特売をやっているのでそういう時期を選んで買うとだいぶ財布にも優しいです。注意事項としては、教材だけでも50時間近くあって非常に長いということです。ハンズオンも全部丁寧にやりながら進めて見直しもすると、いつ終わるかわからない状態になります。効率よく進めるには、x1.5倍やx2.0倍を選んでポイントだけ通常のスピードにする、ハンズオンはいくつか選んで実施する、というようにした方が良いと思います。尚、多少問題に癖があるのですが最後に模試が2つあって、これも役に立ちます。
www.udemy.com

AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト問題集

ある程度内容がわかったら、問題をたくさん解いて試験に慣れながら弱点を補強してゆく、というフェーズになります。Udemyのコースの模試が少し独特な感じがあったこと、問題量がもう少し欲しかったこと、書籍は書籍で電子とは違って端末が必要が無いしぱらぱらめくりできて便利なので、問題集も買ってやりました。こちらはよく売れている問題集のようです。間違ったところは何度も間違う傾向があるものです。最初に全体を通してやりながら、間違った問題と怪しいところに印を入れ、あとは間違ったところと怪しいところを重点的に繰り返して復習して補強しました。

AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)の学習のポイント

試験対策としては、上記の3つをやれば十分です。AWSの提供しているコンテンツはリアルな情報に一番近いですし、Udemyの教材でAWSそのものの理解ができて模試も2回分あしますし、市販の問題集をやることで問題量についても補えるからです。

ただし、もうひとつ付け加えておきたいことがあります。それは、AWSの試験は内容と方針が数年おきに大きくUpdateされるという点です。AWS自体が進化を続けていて新しいサービスが次々登場したり、新機能が加わったり、改良されたり、より新しいサービスの方を使うようにという誘導がなされるからです。ですので、自分が受けることになるであろう試験のバージョンを確認しておく方が良いです。私が受けたのは、2022年の秋に改訂された(SAA-C03)という版です。セキュリティ分野が大幅に増えています。

実際のAWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)の試験

試験はオンラインで申し込んで、自分が住んでいるところの近い場所の受験場所を提供している会社を選んで申しこみました。自宅でも条件を満たせば受けられます。尚、Practitioner合格者は受験料の割引制度があるので、割引のバウチャーを取得しておけば節約できます。
aws.amazon.com

試験はパソコンで受ける形式で、年に数回しか受験のチャンスがないというものではなく、いつでもオンラインで申し込んで受験できます。試験時間、問題数、合格点は以下の通りです。

  1. 試験時間:130分
  2. 問題数:65問
  3. 合格点:1000点満点で720点

会場に着くと、身分証明書の提示を求められます。顔写真付きとそうでないものの2種類が必要で、免許証だけでいいと思っていたのでちょっと焦りました。たまたま健康保険証も持っていてよかったです。仕切られたパソコンの前に案内され、試験を開始します。画面上に1問づつ表示されるので、マウスでクリックして回答して、「次へ」を押して進めます。

問題の詳細は規約上書けませんが、(SAA-C03)の特徴とされるセキュリティ関連の問題がやはり多かった印象です。S3、WAF、CloudFrontやネット関連のセキュリティはきちんと抑えておかないと合格は厳しいと思います。また、あくまでも主観ですが問題の難易度がいくつかに分かれているような気がしました。難問ではすぐに時間が過ぎてゆくので要注意です。時間のかかりそうな問題はすぐはとりあえず答えてチェックマークを付けてさっさと進めて少し早めに一通り回答するようにして、最後にチェックマークを付けた問題を時間の限り見直してゆく、というやり方を取りました。ちなみに、あくまでも噂ですが、配点は問題によって違うらしいです。

Pactitionerの時は、試験とアンケートが終わってすぐに合否が出ました。しかし、今回のSAAはその場では合否の表示がありませんでした。5営業日以内にメールで連絡があるということでした。私の場合は朝10時からの試験でしたが、PM9時くらいにデジタルバッジを発行している会社からおめでとうメールが先にあり、AWSの自分のサイトを見たら合格になっていました。AWSからのメールの連絡は翌日でした。

スコアは752点でした。あまりいい点数ではなかったですね。でも、合格は合格です。一発合格ですし、とりあえず結果オーライで良かったです^^:)。

最後に

AWS Certified Solutions Architect Associate(SAA)の資格は、AWSの技術者としての登竜門的資格で、これに合格していればAWSのアーキテクトとしての基本となるスキルを備えている証明になります。今や時代はクラウドです。AWSはIaaSやPaaSと呼ばれる分野で最も人気があり利用されているサービスですので、SAAの資格は挑戦する価値があると思います。これから受験を検討される方にこのブログの情報が少しでもお役に立てばうれしいです。それから、130分の試験時間はかなり長いので、繰り返しになりますが、スタミナや集中力に自信が無い方やシニアの方は、1時間ほど前に栄養ドリンクを飲むのを忘れずに。